夏樹と空の恋物語
「幸喜ちょっと重くなったね」
幸喜にミルクをあげながら夏樹が言った。
「そうね、体重もちょっとずつ増えているもの」
「そうだね。ねぇ空、幸喜はね。空のお母さんのまれ変わりなんだよ」
「え? 本当? 」
「うん。もう、前世の記憶なんてすっかり消えちゃっているけど。幸喜のハートは覚えているからね。もう一度、空に会いたくて来てくれたんだよ」
「お母さんが…今度は、私の子供になったのね」
「男の子として来てくれたのは、空の事を護る為だって教えてくれたよ」
「そう…。じゃあ、世界一の幸せ者にしてげなくちゃね」
小さな口で哺乳瓶を加えて懸命にミルクを飲んでいる幸喜。
母乳では足らずミルクも併用している幸喜。
お腹いっぱいになって眠ってしまった幸喜を、夏樹はそっとベビーベッドに寝かせた。
「ねぇ夏樹さん。幸喜が生まれたとき、確か「久しぶり」って言ってたわよね? 」
「うん、言ったよ」
「あれは、ずっと私の後ろにお母さんを見ていたからそう言ったの? 」
「うん。でも本当は、空のお腹の中に幸喜がいる時からずっと判っていたんだ。幸喜が「今度は一緒に幸せになりたいから」って言ってたから。幸喜の後ろにずっと、空のお母さんが見えてたしね。でも、出産が近くなると、だんだんとお母さんの姿は見えなくなっていたよ」
「そうだったの。なんだかすごいわね、見えないものが見えるって」
「すごいとか、そんなことは思ったことないよ。ただ、僕はたまたま見えるだけだから」
夏樹はそっと空を抱きしめた。
「空。僕と出会ってくれて、本当に有難う」
「私こそ…。夏樹さんに出会えたから、今こうして幸せになれたの。感謝しているわ」