コーヒーのお味はいかが?
「ううん。ただ、今日は独りでいたくなくて」

「そっか。ならさ・・・」


言葉の途中で、湊は1度席を立つ。


「いつでも、おいで」


そう言って、部屋の鍵を手渡す。


「夜勤とかあるから家にいない日もあるけど、いつでも来たらいいよ」

「ありがとう」


湊の優しさに、自然と頬が緩む。


「お母さん、病気なの」


言うつもりなんてなかった。

なのに、気づいたら口にしていた。


「もう、長くない」

「ごめん、気づいてあげられなくて」

「ううん。むしろ、ごめん。いきなり、こんな話・・・」


こんな話をされても、医者でもある湊をただ困らせるだけだ。


「ありがとう」

「え?」

「そんな大事な話、俺なんかに話してくれてありがとう」


そう言うと、湊はあたしの手を握る。

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