コーヒーのお味はいかが?
「知らない世界だから、面白い」

「変わってるね。普通なら難しすぎて、飽きちゃうのに」

「湊は、嫌い?」


湊に視線を向けると、フッと笑みを浮かべた。


「嫌いじゃないよ。たくさんの事例に触れられるし。それに知ってるのと知らないのじゃ、判断するのに差が出るから」

「救命の患者は、迷ってる間に重症化しやすいからね」

「え?」


湊は、驚いたようにこちらを見る。


「うん?」


湊の態度がよくわからず、あたしは首を傾げる。


「詳しいんだね」

「あ、あ~。昔テレビでやってたから」


平然を装いながら、湊に初めて小さな嘘をついた。

別に、隠すことじゃないのに・・・

自分で嘘をついておきながら、変な罪悪感に苛まれた。

< 91 / 130 >

この作品をシェア

pagetop