行きたかった
行きの前

祥の家

私達は、今、ラブホテルにいる。

何故かって?








「健二、あのさ、ラブホ、行ってくれない?」

「祥、なに?突然?きゅっ、ごっ、へっ…」

「何?健二。汚い。口から、こぼさないでよね。掃除するの、祥なんだから」

「急に、変なこと、言うから。俺と、やりたいってこと?」
  

健二は、服を、脱ごうとしている。


「違うから、脱がないでよ。ただ、興味で、行きたいだけ」

「ふーん」


健二は、また、服を着ながら、テンション低い、返事をした。










「お母さん、今から、図書館、いってくる」

「うん。早く、帰ってきなさいね!健二くんは?」

「僕は、祥さんを、図書館まで送って、家に帰ります。家の片付けの手伝いを、する予定です」

「新年、そうそう、偉いわね」

「祥も、手伝ってよ」

「僕は、したいから、してるだけで」


健二は、恐縮した表情をした。


「今日は、パス。図書館いくから」


私は、母の声を、背中に受け、玄関を出た。
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