あなたの隣にいてもいいですか
16.両想い
夏の終わり、大雅君と京都へ行く。新幹線も旅館の手配も、全部大雅君がやってくれた。

私は大雅君と楽しく過ごせることが最大の目的なので行きたいところや食べたいものは全部大雅君に決めてもらった。
雰囲気のいいバーがあると、会社の人に勧められたけど茉実ちゃんお酒飲めないもんねー、と苦笑いしながら言ってきた。

実は二人で会うようになった最初のころ、少しお酒勧めて、ちょっと酔わせて、どこかに連れ込もうかと思っていたこともある、と言い出した。まさかここまで全くお酒を受け付けないとは思わなかった、と白状していた。
だから今日は、そんな姑息なことを考えなくても、ずっと一緒にいられるのが夢みたいだ、と・・・

そんなことをストレートに言われ、私も思わず胸が高鳴ってしまう。

私だって、こんな時、お酒が少しでも飲めたら酔ったふりとかして、帰りたくない、とか言えたのにな・・・とか考えたこともあった。

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