明日の世界がきみの笑顔で溢れるように。
駆け足で向かった先は好きなひとがいるところだ。



「こんにちは……!」
「あ……咲雪(さゆ)ちゃん……」





決して勘が鋭いとか察しがいいわけじゃないけれど、引きつった顔を見た時になんとなく予測がついた。

前からわかっていたことで、ずっと覚悟していたことだから容易に想像がつく。



「大丈夫です……それでも会いたいです」





私は人目も気にせず、頭を下げる。入り口で深く頭を下げるなんてまわりからみたら滑稽かもしれないけれど、そんなことどうだっていいし、私は一秒でもはやく会いたいからそのためなら何でもできる。




「結翔(ゆいと)くんはしあわせ者ね」
「会いに行っても……?」




優しい笑みで頷いてくれた朝陽(あさひ)さんにもう一度頭を下げて階段を駆け上がって部屋に向かった。

会いたい……けれど拒絶されたらどうしよう、と近づくにつれて不安が募っていく。
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