アンバランスな愛情

俺様との待ち合わせ

保健室の掃除をして
部屋の戸じまりを確認してから

俺は保健室に鍵をかけた

車に乗り
スミレと約束をした北門に
車を停めた

しかしスミレの姿は無かった

送ると言ったし

それに
スミレも了承した

いないはずはないのに

生理といっていたし
どこかで
貧血でも
起こしているのだろうか

それとも
痛くて動けなくなっているのだろうか

俺は
車から降りて
周りを見渡した

目の届く範囲には
スミレの姿は見えなかった

運転席に再び座り
鞄から携帯を取り出した

開くと
一通のメールが届いていた

『ひとりで帰れるから
帰るね』

本文に絵文字もなく
文字だけの
言葉で
送られてきていた

本当にスミレの文だろうか?

ふと
そんな風に
思ってしまう

いつも絵文字を使って
可愛いメールなのに

文字だけとは
違和感がある

車のドアを閉めると

スミレに電話した

声を聞いて
元気であるのか

確認したかった

『おかけになった電話は…』

なんの感情もない
アナウンスが流れた

電源を切っている?

ますます
怪しく感じる

スミレは電源を切ったりしないのに
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