アンバランスな愛情
「ここで何をしているの?」

お姉ちゃんがドアを開けると
怖い顔で瑛ちゃんを睨んだ

瑛ちゃんは視線をあげて
お姉ちゃんを見た

写真を手に持ったまま
瑛ちゃんは
お姉ちゃんの前に立った

「俺はずっとスミレの傍に
いてあげられない

マコが守ってくれないか?」

そう言って瑛ちゃんは
今までの手紙をすべて
お姉ちゃんに渡した

「何?」

お姉ちゃんは瑛ちゃんから
封筒を受け取ると
中身を確認していった

「何これ…?
どういうこと?」

「スミレにストーカーがいる」

「犯人は?
わかっているの?」

お姉ちゃんが私の顔を見た

「ううん
全然、わからない」

「警察!
そうよ、警察に連絡して」

「待て
明日の夕方まで待ってくれないか」

「は?」

瑛ちゃんの言葉に
お姉ちゃんの目がつり上がった

「何言ってるのよ
スーちゃんが危ないじゃない」

「心当たりがあるんだ
そいつと話をする
それでだめだったら
警察に行こう」

「誰よ!」

「言えない
話しあって、改心してくれるなら
そのほうがいいだろ」

お姉ちゃんは
ため息をつくと
髪をかきあげた

「わかったわ
一日だけよ」

「ああ」
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