アンバランスな愛情
俺は朝から
ぶらぶらと街中を歩いた

午前中に職安に行ったけれど
とくにこれといった職が見つからなった

教師以外に
やれることは?
と考えるけれど

何がいいのかわからないのが
正直な話だった

「松川 瑛汰か?」

フルネームで呼ばれて
俺は振り返った

「海堂?」

高校の同級生だ
高3のときにクラスメートで

良きライバルだった

「海堂 廉人か」

「久しぶりだな~
何してるんだ?」

高級スーツに身をつつんだ海堂は
輝いて見えた

「職を求めて
旅してる」

「リストラか?」

「いや…教職をやめた」

「理由あり?」

「もちろん」

「生徒に手を出したな?」

「それもある」

「他にもあるのか?」

「まあ、いろいろ」

「話なら聞いてやろう!
…職も探してやるよ」

「海堂の世話になるのか?」

「いいから!
とりあえず、車に乗れよ」

俺は海堂にすすめられるまま
車に乗った

黒塗りの高級車だ

金持ちの海堂が
好きそうな車だ
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