同期のあいつ
「2人とも、よく飲むわね」

一通り食事が終わり一華さんと私が片付けをしている間も、潤と鷹文はリビングで飲み続けていた。

「あんなに楽しそうな鷹文は初めて」

「そうなんだ」

今までは出来るだけ人と深く関わらないように生きてきたって言っていたものね。

私達は、今日初めて4人で顔を合わせた。
これも一華さんの希望だと聞いた。

「一華さん大丈夫?急な結婚で、疲れてない?」
「ええ、浅井のお母様もとっても気を遣ってくださるし、鷹文も優しいし、幸せすぎて怖いくらい」
「そう。良かった」

初対面こそ険悪だった私と一華さんだけれど、今はすっかりいいお友達になった。
時々2人で食事やショッピングに行って鷹文や潤の愚痴を言い合っている。

「ねえ悠里さん」
「何?」
「本当に結婚するの?」

う、うん。
少しずつだけれど話は進んでいて、来週末には律也さんのご両親と食事の予定になっている。

「鷹文のことはもういいの?」

洗い物をしている一華さんの声だけが聞こえてきた。

「うん。ただの友達」
これは本気。

「じゃあ、潤さんとは?」
「・・・」
答えられなかった。

きっと友達なんだと思う。でも鷹文とは少し違う。
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