舞い踊る炎使い
俺は、山の麓まで走った。俺の家は、山の中にある。こっちの方が訓練しやすいし、電気とかガスとか通っているから生活は不便ではない。

しかも、術師の母さんが結界を張ってくれているから、暴れても問題は無いんだよな。

俺は、山の中に駆け出した。地面を思い切り蹴って、その辺の木の幹に登り、木から木へと飛び移る。

当たる風が、気持ちいい。

「よっ!」

木からジャンプして、俺は綺麗に庭に着地した。

「兄ちゃん、おかえり」

俺の一つ下の弟、陽太(ようた)が話しかけてくる。俺とは、別の学校に通っているんだ。ちなみに、陽太も俺と同じ炎を操る力を持つ。

「ただいま!」

「兄ちゃん、今日ね。悪霊をなんと……!0匹倒しました!」

「まだ良いじゃねぇか。俺なんか10匹だぞ?」

「まぁまぁ……!」

俺は、陽太とそんな話をしながら、陽太を先頭に家に入る。

「燐、陽太。おかえり」

赤い着物に身を包んだ母さんが、姿を現した。俺は急に走りたくなり、口を開いた。

「あ、俺……山、走ってくる!」

「分かった。気を付けてね」

俺は家を飛び出して、山を走る。この山、実はじいちゃんの所有物なんだぜ!?俺のじいちゃん、すっげえ金持ちで……ん?

俺は足をふと止め、辺りを警戒する。

「…………そこにいるのは誰だ?」
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