舞い踊る炎使い
俺が問いかけると、木の陰から黒い影――悪霊が飛び出した。

「うぉっ!」

俺は素早い悪霊の攻撃を避けて、悪霊を見据える。

「さすがは、陰陽師と呼ばれるだけあるな……大したものだ」

悪霊は、俺を見てニヤニヤと笑った。俺は髪飾りを刀に変えて、刀を構える。

「……炎よ、舞い上がれ。火だるまっ!」

俺は、悪霊に素早く近づいて斬り付けた。次の瞬間、悪霊は炎に包まれる。陰陽師は、こうやって持ってる技を駆使して戦うんだ。

ちなみに、『炎よ、舞い上がれ』の部分は、技を出す前の詠唱だ。この詠唱がないと、いつもの威力が出せないんだよな。……他にも詠唱の種類があるけど。

「……ふぅ」

俺は、刀を髪飾りに戻して走り出した。



翌日の朝、俺と陽太は高校の制服に身を包み、一緒に登校していた。

俺と陽太は、別の高校に通っているが、途中までは道は一緒だ。

陽太の胸ポケットに差してある2本のペン(陽太の武器と羽織)が、良い雰囲気を出している。

「良いよな、陽太は……学校でも気にせず付けてられるから……」

俺の通う高校には、アクセサリーを身に付けてはならい、という校則が存在する。だから、俺は、学校にいる間はいっつもカバンかポケットに入れて持ち運んでる。

「平日は良いかもしれないけど、休日とかめっちゃ邪魔なの!」
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