影を拾った太陽ー番外編ー
「成瀬くん、バイク出して。
何しているの光凛!呑気に突っ立っている場合じゃないでしょ!今すぐ空港に行って、桐ヶ谷くんに気持ちぶつけといで!もう一生会えなくなっても良いの!?後悔するよ!」
まさか二人の枷だった藤宮さんに気付かされるなんて思ってなかった。
俺は彼女をバイクに乗せて空港まで走った。
本当にこれが最後の仕事。
今度こそ、幸せになって。
「成瀬くん、ありがとう!ごめんね、あの……告白のこと……」
俺の中ではもう終わっていることなのに、彼女は最後まで優しかった。
あーあ、こんな良い子逃しちゃうなんてなぁ。
「もう良いよ。光凛ちゃんが叶斗のこと好きなのは充分に分かったから。俺は、叶斗を好きな光凛ちゃんが好きなの。早く行っておいで。自分の気持ち伝えるために」
諦めついたはずなのに、言葉を紡ごうとすれば涙が出てきそうになった。
まだだ。まだ泣いちゃダメ。
せめて、彼女が走り出すまでは。
「うん、ごめんね。本当にありがとう!」
叶斗の元へと走って行く彼女を見て、俺の視界は一瞬にして涙で歪んだ。