真由どうした? 俺の彼女の様子が変だ!
 なるほど。胸元に当てたままの堀田の手のひらから光が放たれ、粒子となって空へ舞い上がり始めたからシールド解除を施しているのかも。

「堀田に気づかれたってワケ?」

「おそらく」

 浦本がため息付く。

「まだまだ…、魔女としての修行が足らないようね?」

「見習いの身ですけど…」

 とは言え、シールドに気づかれてしまうとはエイルさんには迂闊だったようだ。

 この時、エイルさんは肩かけバッグから小さな水晶玉を取り出した。
 球が赤い光の点滅を繰り返している。

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