となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
イライラの結末
~一也~

 俺は、イライラしている。
 手掛けているリゾート開発のトラブルが続いて対策に追われっぱなしだ。これも、自分の力不足である事は分かっている。新しい事業部を始める事への甘さがあったのだと……

 でも、諦めるわけにはいかない。この事業を必ず成功させ、あらゆる人間を認めさせなければならない。

 勿論それは、社長という責任でもあるが、友里といっしょにる為だ。俺に力がなければ、友里を守る事が出来ない。


 実際、リゾート開発の成功に便乗しようと、どこぞやらの社長の令嬢だなんだかんだと、ウロウロし始めている。

 そんな、面倒くさい人間の力を借りずに、この事業を成功させなければ、友里との未来はない。


 そのために必死で飛び回っているのに、やっと手に入れた友里との生活を満足に送る事が出来ない。本当なら、毎日早く帰って友里の作った晩飯食って、他愛のない話をして笑って、一緒にベッドに入って抱き合って、深い眠りにつきたい。


 友里との時間が、取れなくて、友里不足でイライラしていた。

 それなのに……


 最後の一山とは分かっているが、明日から今以上の忙しさが待っている。
 
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