世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
すごく綺麗な泳ぎ。
たぶん、あれはクロールだろう。
人生で1度でいいからあんなふうに泳いでみたいものだ。
…気持ちよさそうだし。
なんて思っていたら明日葉は端っこまで到着して。
「それじゃあいくよーっ!!」
大きな声がプールサイドに響いて、プール鬼ごっこが始まった。
泳いでいないのに、早く歩いてこちらに向かってくる明日葉。
…す、すごい。
泳いで疲れてるはずなのに……
「絶対捕まえるぞー!!」
と言いながらどんどん距離を詰められていく。
歩きにくい水中。
普通に歩くよりも一気に体力が奪われる。私の体力は持つだろうか…。
浮き輪に掴まりながら、私は必死に足を動かした。
迫り来る明日葉から距離を取ろうと。
だけど、やっぱり早くは進まなくて、明日葉との距離は縮まっていくばかり。
はやすぎる…っ
そして背中に明日葉の手が触れて、プール鬼ごっこは私の負け。