世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「…付き合ってないわよ」
平静を装ってそう答えると、目の前の女の子は一歩二歩と距離を詰めて迫り来る。
「じ、じゃあ……結城さんは、二ノ宮くんのこと…す、好き、なんですか!?」
その言葉を耳にした瞬間、異常なくらい体が熱くなっていく。
心臓も激しく暴れて、聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい…。
…何これ……
こんな感覚は初めてだ。
自分で自分が制御できなくて……
体も顔もどんどん熱を纏っていって……
私…今絶対顔赤い……
これじゃ勘違いされる。
私が竜二を……
「……やっぱり」
目の前の女の子は小さく呟いた。
それから、ぎゅっと拳を握って。