世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「花莉、落ち着け。
お前いろいろ勘違いしてそうだから…倫也のせいで。一旦俺の話聞こうな?」
ここ座って、と詩優は自分の膝の上をぽんぽん叩く。
「…っ…ふ、普通に座るもん…!!」
とりあえず焦る気持ちを落ち着けるためにも、話を聞くためにも、詩優と竜二さんの前に大人しく座った。
それからじっ、と詩優と竜二さんの目を交互に見つめる。
何があったのか説明して欲しかったから。
だけど詩優は
「お前が心配するようなことはなんもねぇから。安心して」
そう言って私の頭を撫でるだけ。
それじゃ何もわからない。
怪我もしていないし、喧嘩もしていないってこと…?
何があったかの説明にはなっていない。
竜二さんは呆れ顔で「馬鹿詩優」と小さく呟いた。
詩優は説明する気がないのだろうか……。
だったら……
「竜二さんっ…!何があったんですか…!!」
私は竜二さんをじっと見つめて、説明を待つ。