世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
お母さん





花莉side




「どうして花莉ちゃんのお家にはお母さんしかいないの?」


「お父さんは?」




幼い頃、そう聞かれることは少なくなかった。
きっと、周りのみんなにはお父さんとお母さんがいることが当たり前で私が珍しかったんだろう。




「お父さんはお空にいて、私を見守ってくれてるんだよ」




そう聞かれた時は私は決まってこう返す。
これはお母さんから聞いたこと。




あの頃は意味をよく考えたことがなかったけど、『お父さんが見守ってくれている』と聞いたのはのは素直に嬉しかった。





周りのみんなはその時に「寂しくないの?」と聞いてくるけど、私は全然寂しくなんかない。





お母さんは仕事で忙しかったけど私との時間をとってくれて、ご飯も毎日一緒に食べてくれたし、週末には公園に連れて行ってくれた。





そんな毎日がすごく幸せだったんだけど……




「お前のお父さん空にいるってことは、死んだってことなんだろ!?」




クラスメイトの1人がある日私に言ってきた言葉。
その時に私は何も言い返すことができず……一晩中考えた。お父さんがお空にいるということはどういうことか、って。




< 766 / 839 >

この作品をシェア

pagetop