世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
…榊も、無事だったのか。
姿を見てから、再び人工呼吸を開始。
何度も、何度も……。
祈るように人工呼吸を続けたら、花莉は水を吐き出して呼吸をし始めた。
「花莉っ!!花莉!!!」
彼女名前を呼ぶと、
「…し…ゆ……」
確かに返ってくる返事。
安心感が胸に広がっていく。
花莉が…目を開けたんだ……。
俺は安心したせいか、ぽたりと花莉の頬にこぼれ落ちてしまった雫。
それは髪から滴り落ちた雫なんかじゃなくて……。
「し…ゆ……」
彼女は手をのばして、俺の頬に触れる。
心配そうに俺を見つめるから
「…もう大丈夫だから、病院行こうな」
俺は花莉の手の上に自分の手を重ねて、ぎゅっと強く握った。
「詩優!!!ひめちゃん!!!」
「夜瀬!花!!」
「詩優さん、姫さん!!」
「夜瀬!妃芽乃!無事か!?」
こっちへ駆け寄ってきたのは倫也、榊、康、紫苑の総長である五十嵐、の4人。