世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「さっきはよくもあたしの睡眠を邪魔してくれたな!?」
明日葉は、屋上のドアのすぐ近くにいた倫也の肩を掴んで、強く体を揺さぶる。
「ちょっ…待っ…」
前後に激しく揺れる倫也。
「あともう少しで巨大ドーナツ食べられるとこだったのに!!!!」
明日葉は止まることなく倫也を強く揺さぶり続ける。
巨大ドーナツとは、夢の中でのことだろうか。明日葉はさっきの3時間目の授業でずっと寝てたもんな…。
「そういや、倫也。俺らの飲み物は?」
「…買ってくる、って言ったのはお前だろ」
思い出したように言う詩優と、ため息をつく竜二さん。
私の教室に倫也が来た時から、倫也は何も持っていなかった。それから屋上に来る時も自販機なんて寄らなかったから……
竜二さんはもう一度ため息をついてから立ち上がり
「妃芽は何がいい?」
私と目を合わせる。
「あっ…えと、私は大丈──……」
「花莉はプリンシェイク」
“大丈夫です”と言おうとしたら、最後まで言う前に詩優に言葉を遮られてしまった。