世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「妃芽に聞いたんだが……。まぁいい」
後ろを向いて、屋上のドアから出ていく竜二さん。
「竜二さっ……」
必死に声を出そうとしたが、今度は
キーンコーンカーンコーン
と校内に鳴り響くチャイムに言葉をかき消されてしまった。
追いかけようとしても、詩優は私を離してくれない。
…いったいいつになったら離してくれるのだろうか。
「……」
じっと詩優を見つめれば、すぐに私の視線に気づいてくれて。目を合わせてくれる。
「ん?キス?」
「ち、違うっ!!」
ずいっと顔を近づけてくる詩優の胸を慌てて押し返す。シャツのボタンがないせいで、骨ばった鎖骨が丸見え。
…なんだかいつもより色っぽく感じる。
っていうか、なんで見つめていただけなのにキスしてほしい……みたいな考えになってしまうのだろう。詩優とずっと一緒にいてもよく分からない。