世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ



「ぐえっ…」



苦しそうな声が耳に届いて、何かと思ったら……
倒れ込んだ倫也の上に明日葉が座って、コーラを飲んでいた。



…大丈夫かな





「…ネクタイとボタン、どうするの?」



右隣に座る詩優をちらりと見る。
詩優は「んー」と少し考えたあと、



「なくなったもんは仕方ねぇから買うしかねぇだろうな」



と答えた。
詩優の言葉に頷く竜二さん。





…2人とも、本当にそれでいいの?



そう思っても私にはどうすることもできない。
誰が持っていったのかもわからないし、わかったところで取り返せるかどうか……。



でももし、詩優と竜二さんが新しいものを購入したとして、また同じことになるかもしれない。




それに、恋のジンクスが本当なら……
詩優はネクタイとボタンを盗った子と幸せになってしまう。




そんなの……
絶対嫌だ。




< 86 / 839 >

この作品をシェア

pagetop