一欠片のメモリー~君をさがして~

序章 君をさがして

愛する人が死んだとき、残された人は一体何を思うのだろうか。その人の後を追うと考えるのだろうか。それとも、その人がいなくなった世界で、その人が見ることができなかった世界を歩み続けようと思うのだろうか。その答えをあの時の僕は見つけることができなかった。いや、10年たった今もきっと見つけることができていないのだろう。
10年前の冬、竹崎綾香は死んだ。崖から真冬の海に身を投げ死んだ。いや、竹崎綾香の遺体は10年たった今も発見されてない。行方不明という言葉が合うかもしれない。
しかし、彼女は危難疾走が適応され、戸籍上では死亡とされている。
彼女はどういった気持ちで真冬の海に飛び込んだのだろう。その時何を感じたのだろう。何を考えて生きてきたのだろう。だけど僕は信じている。必ずどこかで君は生きてくれていると。たとえ僕を忘れていたとしても。
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