道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

愁×届かない彼女        ⑧


秋川 Side

届かない彼女だった。

最初から最後まで、ずっと。

○○「最近調子はどう?」
愁「あー、まぁまぁかな」

会うなりすぐに俺の近況を尋ねてくるのは、自分の恋が上手くいっているからだろう。

○○とはお互い、出会った時から好きな人がいて。
相談をし合ううちに、自然と距離は縮まっていった。
だけど、○○には他に想い人がいて。
それは俺も同じ......ことになっている。

だから。

愁「俺ら、もう会うのやめねぇ?」
○○「えっ?」

何かを考えているような様子だった○○は、手に持っていたマグカップを落としかけた。


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