道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

○○「わっ」
愁「大丈夫?」
○○「うん......でもちょっとセーター汚れちゃった」

見ると、真っ白なニットにコーヒーの染みができている。

愁「すぐ洗ったほうがいいよ。それとも、クリーニング出そうか?」
○○「大丈夫。自分でやるから」

伸ばしかけた手を、やんわりと止められる。

ごめん話してる途中だったよね、
と自分のことより俺のことを優先する彼女。
そういうところが、俺は......。

考えかけて、また首を振る。

○○「そうだよね。しゅうも私も、好きな人いるもんね」
愁「お前だって、俺と2人でいるところ見られたりしたらまずいだろ」

○○のためだと、それらしいことを言うけど。
本当は自分がこれ以上一緒にいるのが苦しいだけだ。

寂しがってくれれば少しは俺にも可能性があったのに、彼女には隙がない。


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