ワケあり男子
「やだ…やめてえ」



「立てよ!イスに座って話そうぜ?5分ぐらいいいだろ」



やだやだっ。



「離して!」



思いっきり振り払うけれど、びくともしない。



しゃがんで同じ目線に下りてくる。



「怖くないから。なっ?」



ニヤニヤしていて本当に怖い。



「いやあっ!!」



顔を伏せると、舌打ちする音が聞こえた。



「こんなに嫌がるか?失礼な女だな…」



「もうその辺で離してやれば?怖がってる」



「なに言ってるんだよ、見てないでお前ら手伝えよ…うわあっ!!」


男の子の叫び声と共に、私から引き剥がされた。


えっ…なにが起きたの!?



顔を上げると、すぐ近くに律くんが立っていた。


どっ、どうしてここにいるの!?


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