蘭蝶 短編集
「ごめん、すぐ助けられなくて…」



『怖かった…』



「っと、」



優しく頭を撫でてくれた伶くんに思わず抱きついた



それからしばらく抱きついたまま伶くんは私が落ち着くまで抱き締めてくれていた



『も、大丈夫』



私がそういうと腕を解いた伶くん



少し寂しいと感じつつ離れた



『ちょっと、お手洗いいってくるね』



「おう、途中までついてこうか?」



さっきのを心配して申し出る伶くんに大丈夫と一言言ってお手洗いに向かった



ちょっと泣いちゃったから崩れてるであろうお化粧



伶くんも待ってるし、さっさと直して切り替えよう


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