蘭蝶 短編集
『あ、ありがとう。』



素直に受けとると伶くんは嬉しそうに笑った



「じゃあ、またな」



そう言って帰っていった



その背中を見つめながら一人家の前にたっていた私は



『こんな格好いい事されたら誰でも惚れちゃうよ…』



ポツリと泣きそうになりながら呟いた



自分の部屋に入り、あのストラップは一体誰にあげるのだろうと考える。……、きっと彼女だろうなと思って悲しくなった




デートって言ったのは彼からしたら女子と出かける事自体を指す言葉だったんだろうし。手を繋いでいたのはなにかとどんくさい私がどこかに行かないようにだったんだろうなと思った



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