あなただけ見つめてる
「焦ったの。
どんどん先に行っちゃう2人に」
「それで、お見合い?」
「そう。決めてたの。
お見合いで、出会った人と、結婚するって」
愛がなくてもいい。
好きになってくれなくてもいい
だけど、結婚してれば
好きになってくれる”かも”しれない
愛してくれる”かも”してくれるかもしれない
「で?」
「それが、翔じゃなくても
違う人でも、きっと同じ道を行ってたかもしれない」
「俺は、逆だね」
逆?
「お見合いを進めてくれたのは
会社の俺直属の上司」
へ?
「最初は、分からなかった。
だけど、名前を聞いて、
夕葉を見て、想像したんだ。
結婚して、お前の両親みたいな生活ができたらいいなって」
私の両親?
「それが、俺にとっての夕葉でいて欲しいから」
「・・・っ」
「仕事で帰ってくる、俺を夕葉の笑顔で
家で待っていてほしいから」
そんな風に思ってくれてたの?
「俺は、夕葉からしたらまだまだかもしれない
だけど、俺の結婚生活に、夕葉がいること
俺と夕葉の子供がいる幸せを、見つけたい」