もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
なんか。なんていうか。
触り方がいやらしいしっ…!
「っ、やめてって」
小声で必死に睨みつける。
ハヅキが目を細めた。
次の瞬間。
ギュッ
「痛っ!!」
突然手の甲を思い切りつねられて、思わず大声が出た。
クラス中の視線がいっせいに集まる。
「どうしたの?早見さん」
マキ先生が不思議そうに聞いてきた。
「…え、や、えっと…」
ハヅキを見るとニヤニヤしている。とても楽しそうだ。
「今自己紹介中だから静かに、ね?」
「…はい、すみません…」
結局私が注意されて終わった。
横目で思い切りハヅキを睨みつける。
すると、ニヤニヤをやめたハヅキが音をたてないよう器用に机を寄せてきて。
「…ね、さぁちゃん」
囁く声は、私にだけに聞こえる声量で。
「言ったでしょ?そういう顔今度外でしたら、ボコすよ?」