もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「はなれろ」
スッと笑顔を消して、背中に飛び乗ってきたこのみちゃんを冷静に引きはがすハヅキ。
「仕方ないでしょ!?なんせ一か月ぶりに来たんだからー!」
「いや久々でも何でもないじゃん」
「あっ、紗英ちゃんと京星くん来てたんだ!やっほ~っ!」
そこでようやく私と京星くんの存在に気づいたらしいこのみちゃんがヒラヒラと手を振った。
いつも美人なこのみちゃんだけど、いつもよりさらにメイクがバッチリで、髪の毛も編み込みしてあって…とても可愛い。
このみちゃんに見とれる暇もなく、
「よしっじゃぁ全員そろったことだしさっさととっとと行こう~っ!!」
「おいっ引っ張るなって」
ハヅキの腕を無理やり引っ張って歩き出すこのみちゃん。いつもにましてテンション高いな~。
「…行くか?俺らも」
「うん」
そんな二人について、私と京星くんも歩き出した。