敏腕専務はウブな彼女を染め上げたい~イジワルな彼の甘い言いつけ~
ここまで暴露する必要はないかもしれないが、いつかバレるかもと怯えるよりはいいはず。


「甘い言動をされたり、眼鏡をかけたりはずしたりする姿を見ると、興奮しちゃって……喜びに打ち震えることも多々ありまして」

「そんなに?」


思わず、といった調子でツッコむ生巳さんは半笑いだ。引かれているのか、呆れられているのか。

さっきの大柄な男性をいとも簡単にねじ伏せた、カッコよすぎるアクションシーンも、その瞬間に眼鏡が落ち、美しくも怒りと冷徹さが露わになった表情も、見ていてものすごくドキドキした。

自分がピンチのときに見惚れるなんて不謹慎だけれど、彼のすべてに虜にさせられているのが正直なところ。


「もしこんな自分がバレて、軽蔑されたらと思うと怖くて、拒絶するような態度を取ってしまうときもありました。いつの間にか、生巳さん自身に恋をしていたから」


きっかけは眼鏡でも、この想いは本物なのだと伝えたい。彼の綺麗な瞳を切実に見つめ、「本当に、好きなんです」と、もう一度告白した。

どんな反応をされるか不安で、膝の上に置いた手をぎゅっと握った、そのとき。
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