愛が重くて何が悪い!
「えぇ〜見てみたい!写真とかは?」
「んー、この前スマホ壊しちゃったから写真ないかな〜」
「うそ〜、めっちゃ見たかったんだけど!」


確かに壊した。俺が水没させた。
でも写真とかすぐにバックアップするようにしてるからあるっちゃある。
……まぁそんなの、あっても見せてあげないけどさ。
悠音の寝顔とか、ノーメイクの顔とか。
寝起きの眠そうな顔とか。
いろんな悠音が大量に。俺、毎日幸せ。


「花園さん、人気だったなさっきの」
「……だな」
「中学んとき何部よ?あれ」
「吹奏楽部」
「へぇー、の割には運動神経良いんだ?」


すげー、と感嘆の声を漏らす拓海。
だって悠音だもん。才色兼備。
可愛いし、優しいし、世話焼きだし、オシャレだし、頭良いし、運動できるし、ちゃんと俺のこと好きって言ってくれるし。
悠音はすごい。


その点俺は頭はまあまあだし、運動もまあまあだし、いいのは顔ぐらい。…自分で言ってて気持ち悪い。ナルシストかな?
違うよ、悠音がかっこいいって言ってくれるから俺はかっこいいんだよ。
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