触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




うおりゃーーー!!!!!




「お、終わった………」




「お疲れさま」




頭使いすぎて偏頭痛とか有り得ねぇ。
冷えピタ貼りながらソファーに仰向けで寝転ぶ。




「大丈夫…?休憩しなよって言ったのに」




「うぅ………」




チラッと薄目を開けて奈那の方を見ると、何やら飴のようなモノを口に入れてた。
テーブルの上にいちごミルクの飴玉の袋が目に入る。




「好きだよね、その飴」



「食べる?」



「いや、甘いのいらない」



「美味しいのに」



知ってる。
いつも美味しそうに食べてるの見てたから。
食べたこともあるから味も知ってるけど今の俺なら必要な糖分かも知れないな。




「本当に美味しいの?」




「うん、今一番のお気に入り」




いつも食べてるからずっと今一番じゃん。



「ふーん、じゃあ貰おうかな」



「いいよ〜ハイ」



「そっちじゃなくて、俺が欲しいのはこっち…」



袋ごと差し出す奈那に堪らなくなってキスしちゃう。
だってこれご褒美でしょ?
数学終わらせたもん。
口の中の飴玉……奪ってもいいよね?



仰け反る身体を支えながら舌で奪った。



「甘っ…!」



想像通り、女子が好きそうな味。
でもこれ最後まで舐めるのキツいかも。



あぐらをかく足に奈那の手が乗る。
トレーナーを引っ張られ顔が近付いてきて……
あれ?奈那……スイッチ入っちゃってます…?



細い指が唇をなぞる。



何て……妖艶な瞳。
俺……今から襲われるの……?
それはそれは大歓迎ですけど……ここで!?




「ダメ……それ私のだから返して」




色っぽくそう言うと
強引にキスされて舌の上の飴玉を奪い返された。




満足そうに笑う奈那に「嫌だ」と言ってまたキスで奪い返したらどうなるんだろう…?




「ダメだってば………」







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