触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




ヴーヴーと携帯のアラーム。
枕元を無造作に探して切る。
片目だけ開けて時間を確認。




まだ隣に居る暖かさに慣れなくてバチッと目が覚めた。
額にキス。
長い睫毛はまだ揺れない。
寒そうにギュッと抱きついて離れない奈那が愛しくて堪らないんだけど?




「奈那……そろそろ戻る?」




明るくなる前に戻った方が良いかも。
たまに親父、早起きだし。
う〜ん…って返事なし?
起きないとくすぐっちゃうぞ?
もう5時だよ?
そんなしがみつかれたら胸当たってますけど…?




「まだ寝るぅ……」




うぅ……可愛いけどさすがにヤバいでしょ。
甘い声出してもダメだって。
それむしろ俺の大好物だから。
なかなか目が開かない奈那もレアだぞ。
本来ならこのまま眺めていたいところだ。




「奈那……見つかったらヤバいでしょ?」




あ、やっと目が開いた。
ぱっちりお目々、吸い込まれそう。
薄暗い部屋の中でもよくわかる。
今……同じ布団の中に居るんだよなぁ。
それだけで幸せなんだよ。
昨日とは大違い。




「ヒロ……離れたくない…」




「でも……」




「そうだ、夜中寝ぼけてこっちで寝ちゃってた〜って言えばいいじゃ〜ん」




「え?え?え?」




バレないよう自覚持ってよってあなたが言ったよね!?
昨日だってバレないよう声抑えてって…!
あれだけ気をつけてたのに今は何!?
呆れた…!
これは俺でも怒るよ!?







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