触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
リビングで勉強中の奈那と洗濯を終えた俺。
チラッと姿を見るたびに触れたくなるけど今はグッと我慢。
なんせ受験の追い込み時期らしいから。
テーブルの上で凄まじい集中力で過去問に向き合ってる。
だから邪魔しないようにしてるつもり。
奈那の為に何か出来ること………
「今日は俺がお昼作る!焼きそばなら任せろ!」
俺の唯一出来る料理だ。
そうと決まれば早速キッチンで取りかかる。
野菜も豪快に切っていくぜ。
フライパン振るのも得意だぜ。
奈那の為に張り切っちゃう。
こっちも集中してたら急に
勉強していたはずの奈那がピタリとくっついてきた。
「わっ、勉強は?すぐ作り終わるから待ってて」
「……ヤダ」
「えっ…!?そんなにくっつかれたら…」
「邪魔?」
「じゃなくて……」
「ヒロがあまりくっついて来ないから…それはそれで寂しい…」
ちょっと……何でこんなに可愛いの!?
せっかく我慢してたのに〜!
でも可愛いから許す!!
「味見はしないの?」
「え……っと、全面的にソース頼みなんで特に味見……ってした方がいいよね?」
菜箸でハイ、あーんをして欲しいんでしょ?
奈那の誘い方わかってきたぞ。
あれ、首を振るってことはいらないの?
俺が味見するのね…?
少しだけ口に入れた。
ズズズ…と麺がまだ口に入りきってないうちから残りの部分を奈那が口に入れる。
ま、まさかの……ポッキーゲーム状態っ!?
焼きそば版っ!?
キスするみたいに徐々に唇が近付いてきて……
触れたら麺を噛み切ってくれた。
反対側から奈那が食べ始めた瞬間に固まる俺に「美味しい」って鼻で笑うんだ。
しかも服を引っ張り再び顔が近付いたら「ソースついてるよ?」と口元を舐めてくる。
その攻め方……最強じゃんか。
本当、抗えない。
すぐおかわりしちゃう俺をまた鼻で笑うかな。