触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




恥じらいとか一気に吹き飛んじゃったのは奈那がわざと物足りなくしたから。
一瞬で火をつけたから。
再び重なった唇は少しだけ深く。




まだ明るいのにヤバ……
止まらなくなりそうだった。
急に恥ずかしくなって手を引いてそそくさと退散した。




奈那とのキスは抑える方が難しい。
例えそれが外でも無理なんだって思い知らされた。
2人して真っ赤だけど、目が合えば笑顔がこぼれる。
繋いだ手をギュッと握り返してくれるのが幸せ過ぎてヤバい。




人の目を気にせず恋人同士で居れてる今、この瞬間が長く続いて欲しい。




心からそう願った。











夜のパレードも皆で楽しんで最高のひと時を過ごした。
お土産いっぱい抱えてホテルにチェックイン。
ディナーはホテルのバイキング。




それぞれお風呂に入ったら奈那たちの部屋で11時半くらいまで喋ってた。
まだ居たそうな純太を引き連れて俺たちは6階に降りていく。




「マジでマキさん可愛い〜今日楽しんでもらえたかな!?」




「良かったな、LINE教えてもらえて」




「宏介は?チカさんと交換したの?」




「モチのロン」




「お、おう……幸せそうで何より」




こいつらも陰で色々頑張ってる。
ていうか3人とも年上とじゃん。
それもそれで面白い。
さっきもずっと宏介はチカさんに自然と話しかけてたしいい感じだったな。
純太も空回りはしてなかった…はず。




俺と奈那は近過ぎる距離を適度な距離に保つのが苦労した。
このメンバーの前でイチャつくわけにもいかず、友達同士?やっぱ姉弟?
普通で居るのがこんなに難しいとは。




何度も目が合ってそのままアイコンタクトで会話しそうになった。
身体が勝手に近付いていきそうになるのを必死に止める。
なるべく唇は見ないように。




なのに奈那ったら、ボディーラインがはっきりする服着ちゃってさ。
結構胸あるのバレちゃうでしょ。
さり気なく着てきたパーカー羽織らせちゃった。
上までチャック閉めたら「え?」ってな顔。




「俺以外に見せないで」




あ、ヤベ。
皆の目の前で普通に独占欲剥き出しにしちまった…!
チカさんたちが奈那をイジり出すレアな展開。




ごめん、そういうこと想定出来なかったわけでマジで素が出た感じ。
「この部屋熱いね〜誰かさんのお陰で」と言われても奈那は嬉しそうに笑う。
言った本人は茹でタコ状態だけどね。







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