秋〜本もいいけど、俺のことも見て〜
あたし、秋奈(あきな)。昔から絵を描くのが好きで、イラストレーターとして好きなことを仕事にして頑張っている。

「う〜ん……。仕事終わった〜……」

あたしが絵を描き終わり体を伸ばすと、スッとココアの入ったマグカップが置かれる。隣を見れば、同居している恋人の秋斗(あきと)が微笑んでいた。

「お疲れ様」

「ありがとう」

秋斗にあたしも笑いかけ、ココアに口をつける。秋になるとココアやミルクティーが飲みたくなる。秋斗もあたしと同じようにココアを飲み始めた。

「秋斗、仕事の方はどう?もうすぐライブだよね?」

「明日からリハーサルがあるんだ。でも、この調子なら成功できそうだよ」

秋斗は有名な歌手で、全国にファンがたくさんいる。イケメンだから女の子のファンが多いっていうのはちょっとモヤモヤすることもあるけど、秋斗の歌はとても素敵だから応援するよ。

「季節の変わり目だし、風邪とか気をつけてね?秋斗は喉が命なんだから」
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