僕を壊したのは君だから。

「それで、英語の……どこがわからないの?」



教科書を机から引っ張り出しながら問う宮岡さん。


緊張しすぎ。


しかもそんな自分を隠そうと必死すぎ。


ほんとツボなんだけど。



「えーっとねー……」


俺は黒板に”I LOVE YOU”と書いてチョークを置いた。



「これって日本語でどういう意味?」



くりっとした目を一度大きく開いて、目を逸らす宮岡さん。



「……そっ、そんなのわかんない。馬鹿……」



その焦った顔、まじでツボ。



宮岡さんはいつもふわふわした印象だけど。


俺の前では近頃ガチガチ。



なんなのそれ。

超かわいい。



お気に入りの子をいじめたくなるっていうのは、男のサガだよね。



「……赤くなってやんの」



だからもっとなかよくしてね、宮岡さん。



< 36 / 139 >

この作品をシェア

pagetop