僕を壊したのは君だから。
実は私、朝比奈くんと春先に一度喋ったことがある。
のんきに校庭の隅で寝ている朝比奈くんは桜の花びらを浴びていて。
(憧れの……コミュ力おばけの……朝比奈くんがいる)
作り物みたいに非の打ち所がないつくりをした顔が、無防備すぎた。
名前も書いてないカーディガンをかけて立ち去るより、喋りたいって思ったの。
打算的だったかも。
それくらい朝比奈くんへの純粋なあこがれが強すぎた。
『起きないと風邪ひくよ』
その日初めて出した声はちょっと震えたっけ。
あの時スケボがどうのって言ってたのを思い出して、この辺を探している。
そうやって下ばかりに注意を向けて校舎の角を曲がった直後。
「うわ!」
「っ、ごめんなさい……っ」
誰かにぶつかりそうになった。
のんきに校庭の隅で寝ている朝比奈くんは桜の花びらを浴びていて。
(憧れの……コミュ力おばけの……朝比奈くんがいる)
作り物みたいに非の打ち所がないつくりをした顔が、無防備すぎた。
名前も書いてないカーディガンをかけて立ち去るより、喋りたいって思ったの。
打算的だったかも。
それくらい朝比奈くんへの純粋なあこがれが強すぎた。
『起きないと風邪ひくよ』
その日初めて出した声はちょっと震えたっけ。
あの時スケボがどうのって言ってたのを思い出して、この辺を探している。
そうやって下ばかりに注意を向けて校舎の角を曲がった直後。
「うわ!」
「っ、ごめんなさい……っ」
誰かにぶつかりそうになった。