懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
よほど恥ずかしいらしい。判別可能なシンボルの有無を確認できていないのだ。
「きっと男の子だ」
「どうしてですか?」
「俺のママになにすんだ!って暴れていたんじゃないか?」
「なんですかそれ」
おもしろい理論に里帆がクスクス笑う。
「絶対ヤキモチだよ」
亮介が悔しそうに言うから余計に笑いが込み上げてくる。
ヤキモチを焼いているのは亮介のほうだ。
「でも、里帆は俺のものだからな。悪いけど譲る気はない」
すっかり息子確定だ。
「自分の子どもなのに?」
笑いながら聞き返すのは照れ隠し。亮介の言葉にドキッとさせられ、本音ではうれしくて堪らない。