懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


杏に促されて隆一の向かいに腰を下ろすと、喜代がお茶を淹れて入ってきた。
これほどの邸宅なら家政婦がいるのだろうと思ったが、喜代自身が淹れたようだ。


「里帆さん、ルイボスティは飲める?」
「はい、いつも飲んでいます」
「よかったわ」


もしかしたら、カフェインを控える里帆のために準備してくれたのかもしれない。わざわざそれを表に出さない気遣いは、里帆のお手本だ。
里帆の隣には杏、喜代は隆一の隣に腰を落ち着けた。


「里帆さんが持ってきてくれたシュークリーム、私も大好きなお店のものなのよ」


喜代はテーブルにお茶と一緒に分けたシュークリームを見て顔を綻ばせる。


「そうなんですか。亮介さんがたまに買ってきてくださって。私も大好きなんです」
「そう。亮介が」


さらにうれしそうに微笑んだ。


「お兄ちゃん、里帆さんにベタ惚れなのね。私には買ってきたことないもん」
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