懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
隆一が低い声で呼びかける。
心からの想いを伝えてもダメだと言われたらどうしよう。
そんな不安に襲われた直後、お腹に先ほどまでよりも強い痛みが走る。
「……っ」
思わず声にならない息を口から漏らし、お腹を押さえた。
異変に気付いた喜代が、すぐさま里帆の隣に座る。
「里帆さん、どうしたの? お腹痛い?」
「……はい、少し。今朝からなんとなく重い痛みはあったんですが」
「前駆陣痛じゃないかしら」
「そうなん、ですか?」
ドクターからその話は聞いている。本陣痛の前に前駆陣痛と呼ばれるものがあると。
でも予定日はまだ二週間以上も先。まさかという思いは強く、その痛み自体も初体験のため、それが前駆陣痛なのか自分ではわかりようもない。
「初産は早まる人のほうが多いってよく聞くから。里帆さんもお産が始まるわ」
「えっ」