懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました

亮介によると、ここは里帆が通院している産婦人科もある市内の総合病院のようだ。


「迷惑をかけてごめんなさい。もう大丈夫ですから」
「そんなことより……」


亮介の口がいきなり重くなる。


「お腹に子どもがいるって聞いたよ」


これまで経験したこともないほどドックンと大きく心臓が弾んだ。
土壇場で亮介にバレるとは。


「……俺の」
「違いますっ」


亮介の言葉を遮る。体を起こして大きな声を出した。
彼の子どもだと知られるわけにはいかない。


「だってそれじゃ」
「本当に違うんです」


亮介の未来を奪うのだけは絶対にしたくないのだ。
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