たとえば、こんな人生も
それから1週間

穏やかな日々が続いていた


いつきさんと仲直りしたことで
実家から戻ってきたまこちゃんはお役御免と
いつきさんの家から出ていった


学校が終わって
一旦いつきさんの家に戻って

いつきさんと一緒にごはんを食べて
それからお店に向かって

いつも通りに仕事をこなして
今日も何事もなく一日が終わる



……はずだった



「ひなた、お疲れ様」

「せな姉さん、今日はもうあがりですか?」

「うん。ちょっと用事があってね」

「そうですか」

「これ、後で食べて
おいしいから」

「…わぁっ、ありがとうございます」


休憩所の掃除をしていると
帰り支度を済ませた、せな姉さんが現れて

手に持っていた袋を私に差し出した

袋の中から甘い香りがして

中を覗き込めば
有名なチョコレート菓子店のロゴが入った箱

中身がチョコレートだと分かって
はしゃぐ私を見て、姉さんは嬉しそうに笑う


「じゃあね」

「はい。お疲れ様でした」
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