たとえば、こんな人生も
「…」


今度はいつきさんが
黙って私の言葉を聞いてくれた


何かを考えるような短い沈黙の後


「そうか」と納得するように一言



「レイジさんや姫達か
らひなたちゃんの性格とか
考え方とか色々聞いてるけど……」


「ひなたちゃんは
ひとりで生きていけるようになりたいんだね」


「ひとりで生きていくにはお金がいるから
だから、この世界を選ぼうとしてるのかな」


そう

「普通」じゃだめ

「普通」じゃ足りない


誰かの力を借りて、居場所を変えるのも
法に守られてるからって、それにすがるのも嫌

それは何か違う気がする



「……綺麗な世界じゃないけど、そこで一生懸命に生きてる姉さん達を尊敬してます
出会った頃からずっと憧れてます」



自分の力で生きてる姿に
誰かのために頑張ってる姿に

私はすごく胸を打たれた



「選択肢がたくさんあるのも分かってるんです
だけど、私は「これ」を選びたい」
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