白雪姫に極甘な毒リンゴを
七星君への想い

 
☆六花side☆


 紫音くん、
 七星くんにプレゼントを
 渡してくれたのかな?


 昨日、お兄ちゃんのバイト姿を見られて
 ご満悦の紫音くんは、
 家まで私を送りながら言ってくれた。


『俺が今から、七星にそのプレゼントを
 渡しに行ってやろうか?』って。


 悩んだよ。


 ちゃんと七星くんの顔を見て、
 自分でプレゼントを渡した方が
 良いんじゃないかって。


 七星くんがくれたネックレスも、
 自分で返した方が良いんじゃないかって。


 でも、どう頑張っても
 そんな勇気は今の私にはない。


 せいぜい、七星くんの学校の机に
 忍ばせるので精いっぱい。


 だから、
 紫音くんに頼むことにしちゃった。


 七星くんに、
 このペンケースを渡して欲しいって。


 もらったイヤリングと、
 ネックレス入りのペンケースを。



 遅刻ギリギリで教室につくと、
 席に座っている七星くんと目が合った。


 でも、絡まった視線を一瞬でそらしたのは、
 七星くんの方だった。


 そりゃそうだよね……


 自分で渡すべきものを、
 紫音くんに頼んだんだから。


 窓際の一番後ろの席に座り、
 教科書を机にしまおうとした時、
 見覚えがある袋が、机の中に入っていた。


 袋の中身なんて、
 開けなくてもすぐにわかった。


 私が七星くんにあげた、星空のペンケース。


 誰にもばれないように、
 そっと缶でできたペンケースの蓋を
 開けてみた。


 そこに、1枚のメッセージカードが。
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