元カレと再恋愛ってありですか?
すやすやと寝息を立てて眠る紗那の顔に髪がかかっていて、そっと奏介が髪に触れる。

「ん・・・」

それでも紗那は目を覚まさなかった。


結婚前に紗那と一緒に紗那の主治医の元へ行き、詳しい状況を聞いた奏介。
紗那は将来、妊娠を希望していて子宮内にできた腫瘍の除去手術も最低限の処置だけで、あとはホルモン治療をしていた。それでも、腫瘍のできた位置が悪く、不妊の可能性や流産のリスクがかなり高い。医師と相談をして、現在は妊娠に向けて再び漢方薬を使用して様子を見ている。
それでも、医師とはタイムリミットを決めていた。

紗那は現在36歳になろうとしている。
40歳までに妊娠ができなければ、子宮を除去する手術を受けることを医師と決めていた。

奏介は紗那と子供について何度も相談をした。紗那の命を危険にさらしてまで、子供を持ちたいか自問自答した奏介。それでも、紗那のどうしても二人の子供を持ちたいという医師の強さに、奏介は全力でサポートすることを決めていた。
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