元カレと再恋愛ってありですか?
深みのある緑と、イタリアカラーの赤と白が織りなすデザイン性の高い店の前で紗那は深呼吸をしていた。
さすがに34歳になると昔のようにがむしゃらに走れない。

急ぎすぎて肺が痛い。

ふと12年前の奏介が知っている自分よりもきっと年を取っていて、睡眠不足が続いていてボロボロの肌も、奏介に見られることが恥ずかしくなった。

ひとまず呼吸を整えてから店内に入ろうと店の外観を見ることにした紗那。

店の外観を見ながらどんな色合いがいいかを考えていた。

イタリアの家庭料理を親しみやすくして広めたいと言っていた奏介。そんなデザインにすれば親しまれるか・・・イメージを膨らませているとふと店の窓から奏介が見えた。

真剣な顔で、シェフの格好をして料理する奏介。
その横顔は昔よりもさらに深みが出てかっこよくなった。料理しているときはいつものあどけなさを感じない。紗那はその横顔に見入っていた。
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